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コメント
🌟 1. 本作の魅力:注目ポイント
- タイ独自の信仰文化と呪物
タイに伝わる身代わり人形「フンパヨン」の伝承をベースにした物語。本物のロケ地と呪具を使用することで、土着信仰の持つ神秘性と恐ろしさを鮮やかに描いています。
人気若手俳優の競演
タイドラマで人気のプーウィンとアップが主演しています。
- ホラーとミステリーの融合
単なる恐怖描写だけでなく、兄の失踪の謎や、村の秘密を探るミステリー要素が加わっています。
👤 2. こんな人におすすめ
✅ おすすめ
- タイのホラー映画やアジアの民俗ホラーに興味がある方
- オカルトや土着信仰、呪術といったテーマに関心がある方
- 主演のプーウィンやアップのファンの方
- ミステリー要素や社会的テーマを含むホラーを楽しみたい方
⚠️ 注意点
- 過激な暴力描写やグロテスクな表現が含まれます。
- 宗教的な儀式や信仰が物語の中心となるため、苦手な方は注意が必要です。
- 驚かせる演出(ジャンプスケア)が一部あります。
- タイ文化や宗教観に馴染みがない場合、理解にややハードルがあります。
🧠 3. 物語とテーマ
あらすじ
出家した弟を訪ねて島を訪れた兄が、奇怪な事件に巻き込まれていく。
テーマ
本作は、タイの地方に残るアニミズム的な人形信仰「フンパヨン」を題材にしています。
呪物信仰がもたらす集団心理や盲信、そして伝統と現代の価値観の衝突を描きながら、家族愛や喪失感といった普遍的なテーマも根底に流れています。
構造
物語は主に、村を訪れた青年の視点から展開されます。
弟の失踪の真相を探るミステリーとして進行し、村の秘密が徐々に明らかになります。
回想シーンなどが挿入され、現在と過去が交錯しながら、フンパヨン信仰の核心へと迫っていく構成です。
🎬 4. 演出と技術の評価
映像表現
全体的に暗く、陰影を強調した画作りが特徴です。
特に夜の森や寺院内部、石像の並ぶシーンなどでは、限られた光源が不気味さを際立たせています。
フンパヨン人形自体のクローズアップも多く、その無機質な表情が恐怖を増幅させます。
音響設計
読経の声、儀式の際に鳴らされる楽器の音、風の音などが、土着的な信仰の世界観を表現しています。
美術・衣装
本作の核となるフンパヨンのデザインは、禍々しさと神聖さが同居する独特の雰囲気です。
家屋や寺院のセットデザイン、僧侶の袈裟や村人たちの服装も、タイの地方文化や信仰の空気感をリアルに再現しています。
象徴的なシーンの演出
儀式のシーンでは、薄暗い中で揺らめく蝋燭の光、響き渡る読経、一心不乱に祈る村人たちの姿などが、信仰の持つ力と異様さを描き出しています。
🌍 5. 海外の視点と製作の舞台裏
海外メディアの評価
タイ本国では、2023年の公開時に当初R18+指定を受けましたが、一部シーンを再編集しPG13として公開された経緯があります。
この検閲問題は、宗教的・文化的な描写に対するタイ国内の複雑な状況を反映しています。
アジアン映画祭では高評価を獲得し、Varietyなど海外メディアも、タイホラーの成熟を評価しています。
製作エピソード
ポンサリット監督は、タイの伝統的な信仰や伝承を、現代的なホラーエンターテイメントとして昇華させることを目指し「信仰と恐怖の両面を描きたかった」と語っています。
寺院や呪物は”本物”を使用し、俳優陣も実際の儀式に参加したことで、撮影現場は本気で恐怖に包まれたそうです。
日本国内の評価
日本では、タイドラマの人気俳優が出演する作品として、公開前からファンの間では高い関心を集めました。
🔗 6. 関連作品レコメンド
同ジャンル/テーマ
- 『女神の継承』(2021)
同じくタイの土着信仰やシャーマニズムを扱ったモキュメンタリーホラー。
本作よりも、よりドキュメンタリー的な恐怖を体験できます。 - 『哭声/コクソン』(2016)
韓国の田舎町を舞台に、得体のしれない存在がもたらす恐怖と混乱を描く。 - 『ミッドサマー』(2020)
集団信仰と儀式がもたらす恐怖を北欧設定で描く作品。
異文化ホラーの比較に最適です。
同監督作
- 『祟り蛇ナーク』(2019)
タイの伝説と呪いをテーマにした前作。
土着信仰への視点が共通していますが、コメディ要素が強いです。
🤔 7. レビュー
タイ独自の「フンパヨン」信仰を扱った意欲作。
本物のロケ地と呪具を使用した圧倒的なリアリティなど、映像と音響による雰囲気作りも巧みで、タイの地方が持つ神秘的で閉鎖的な空気感をよく伝えています。
一方で、物語の展開や伏線回収には、強引さや説明不足もありますが、うまくタイの文化とホラーを融合させた試みは評価できます。