前作から四半世紀経っているのだが、劇中も同じ時の流れの設定となる。暴虐を尽くすローマ帝国の兄弟皇帝、その指示で強引な領土拡大のために妻を殺された男が復讐を誓い奴隷からグラディエーターとなっていく。

前作の設定を上手く取り込みながらも政治的な謀略も描き込み、盛りだくさんの内容でラストまで濃厚なキャラ達の愛憎ドラマを堪能出来る。

両作を繋ぐ重要なキャラをコニー・ニールセンが上手く演じ、デンゼル・ワシントンが老獪な人買いを見事に演じ見応えがある。

脚本の完成度が高い上に、全く衰えないリドリー・スコット監督の映像世界は、この四半世紀の間に大きく進んだ映像技術を背景に、前作を凌ぐ一大歴史ドラマを作り上げている。
コロッセウムでの剣闘シーンも迫力満点！

前作のインパクトは凌ぎようがないため、今作のアカデミー受賞は難しいだろうが、作品としては文句のない出来。
前作と話を繋ぐオープニングやラストシーンも上手く、余韻が残る。