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レビュー
1. 本作の魅力:注目ポイント
- 家族愛と恐怖が絡み合う新感覚ホラー
本作の特徴は、ホラー要素だけでなく、家族愛や絆をテーマにした人間ドラマの側面も持ち合わせている点です。 - Jホラーの定番を覆す演出
「リング」以来のホラー定番、”長髪少女”像に頼らず、オリジナルのビジュアルとバックグラウンドを持つサユリ像を創出しています。 - 圧倒的な“お婆ちゃん”キャラ
神木家の祖母が見せる活躍は、こちらの予想を超えるインパクトです。
🎯 2. こんな人におすすめ
✅ おすすめ
- 家族ドラマとホラーの融合を楽しみたい方。
- Jホラーの新しい表現や挑戦に興味がある方。
- 白石晃士監督や押切蓮介の作品ファン。
⚠️ 注意点
- R15+指定を受けており、下品なギャグや過激な描写が苦手な方。
- 従来型のホラー作品にこだわる方。
- B級テイストやCG表現に抵抗がある方。
3. 物語とテーマ
📝 あらすじと概要
神木家は念願のマイホームに引っ越すが、家には少女の霊“サユリ”が棲みついていた。
次々と不可解な現象が起こり、家族は恐怖と絶望に追い詰められていく。
💭 テーマと構造
本作の中心テーマは、家族の絆と呪いの連鎖です。
家族それぞれの葛藤や愛情が描かれ、ホラーに人間ドラマが溶け込んでいます。
物語は前半の静かな恐怖から、後半の復讐劇へと大きく転換します。
4. 映像表現と演出
🖼️ 映像表現
白石監督らしい巧みなカメラワークが光る作品です。
狭い住宅空間を効果的に活用した閉塞感のある構図に、暗い色調が家の不気味さを際立たせています。
サユリのビジュアルは従来のJホラー像を刷新し、独自の存在感を放ちます。
🎵 音響表現
BGMや効果音は、静寂と恐怖シーンでは不協和音や突然の無音状態を効果的に使用。
特にサユリの笑い声は、恐怖の象徴となっています。
時に挿入されるコミカルな音響も、物語の緩急を生み出しています。
✨ 印象的なシーン
何と言っても覚醒シーン。これを境に映画の雰囲気が一変し、予想外の展開へと進んでいきます。
従来のホラーでは見られない大胆な演出が、強烈な印象を残します。
5. 製作背景と関係者の声
🎥 制作エピソード
『サユリ』は押切蓮介の同名漫画を原作としており、押切自身が「自分の中で一番好きな作品」と語るほど思い入れのある作品です。
押切は原作を描いたきっかけについて、「母親と一緒に観ていたホラー映画がありましてね。それを観た母親が『負け戦だ』と言うんです。
そこで『そうか、この映画の中は”戦”だったんだ』という視点を得て、『そういえば今まで観てきたホラー作品は圧倒的に人間側の負け戦が多かったな』と気づいた」と語っています。
映画化にあたり、監督の白石晃士は「Jホラーの定番から変えたかった」と語り、サユリのビジュアルや背景にオリジナル要素を加えました。
また、白石監督は『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズで培った低予算ホラーの演出技法を駆使し、限られた予算内で最大限の効果を追求してます。
ばあちゃん役の根岸季衣との出会いも運命的だったと、インタビューで明かされています。
6. 国内外の評価
🌎 海外メディアの評価
『サユリ』は韓国のプチョン国際ファンタスティック映画祭でワールドプレミア上映され、国際的な評価を受けました。
海外メディアの評価は非常に高く、Asian Movie Pulseは「呪われた家というJホラー・ジャンルを非常に面白くひっくり返している」「信じられないほど楽しいJホラー」と絶賛しています。
CINAPSEは「ジャパニーズ・ホラーの期待に反抗した壮大な集大成」と評価。
25YLは「暗く陰鬱な外見とは裏腹に、大きな高揚感を与えてくれる」と評価。
Desde Abajoは「呪われた家というジャンルで使い古された王道を破り、独自の道を切り開いた」と述べています。
🇯🇵 日本国内の評価
日本では「原作のぶっ飛んだ展開をよく実写化した」「B級テイストも含めて完成度が高い」と好意的な声が多く、公開3日で動員6万人超を記録しています。
海外と共通して“新しいJホラー像”への評価が目立ちます。
7. レビューと関連作品
💯 レビュー
「サユリ」は、家族ドラマとホラーの融合による新しいJホラーの到達点です。
ジャンルの定番を覆す演出や、倫理観を問う物語構造にはインパクトがありますが、同時に好みは大きく分かれるでしょう。
🍿 関連作品レコメンド
同ジャンル/テーマ
- 『ミスミソウ』(2018年)
同じく押切蓮介原作。倫理観を揺さぶる展開や、救いのない絶望感が共通しています。 - 『呪怨』(2002年)
Jホラーの代表作の一つ。
家に巣食う怨霊というテーマは共通ですが、「サユリ」は家族のドラマ性とコミカルな要素で差別化されています。
同監督作
- 『コワすぎ!』(2012年)
フェイクドキュメンタリーホラー。
現実感と恐怖演出のバランスや、ジャンルへの挑戦姿勢に共通点が見られます。 - 『貞子vs伽椰子』(2016)
従来のJホラーキャラクターを、新たな視点で描いた実験的な作品。
🔗 参考文献・リンク
映画「サユリ」公式サイト
コミックナタリー 映画「サユリ」特集
CINAPSE海外レビュー
25YL海外レビュー
Desde Abajo海外レビュー
映画.com「サユリ」レビュー
押切蓮介原作「サユリ 完全版」
白石晃士監督インタビュー
🔄 更新情報
更新:2025年6月9日 – 初稿作成