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レビュー
1.本作の魅力:注目ポイント3選
- 小泉今日子の魅力的なキャラクター演技
全盛期のキョンキョンが魅せる小悪魔的な快盗ルビイ。 - 和田誠監督の洗練された演出センス
ビリー・ワイルダーへのオマージュに満ちた職人的演出を楽しめます。 - 80年代独特の音楽
主題歌「快盗ルビイ」をはじめとする楽曲群が、映画にマッチしています。
2.こんな人におすすめ
✅ おすすめ
- 80年代のカルチャーやファッションが好きな方。
- 軽快なラブコメディやテンポの良い会話劇を楽しみたい方。
- 小泉今日子や真田広之の若き日の演技を堪能したい方。
⚠️ 注意点
- 派手なアクションやサスペンス、リアルな犯罪劇を期待する方には物足りないです。
- 80年代独特の演出やセットに違和感を覚えるかも。
- 現代的なテンポを求める方には古さを感じるかもしれません。
- 原作の「快盗ルビイ・マーチンスン」とは設定が異なるため、原作ファンは注意が必要です。
3.物語とテーマ
📝あらすじと概要
平凡なサラリーマン林徹のマンションに、自称「快盗ルビイ」の加藤留美が引っ越してきます。
彼女の奇妙な行動に巻き込まれながら、二人の間には奇妙な絆が芽生えていきます。
💭 テーマと構造
本作は、日常と非日常の交錯、そして予測不能な出会いがもたらすロマンスを軽妙に描いています。
和田誠監督らしい、洒脱な会話劇とコミカルな展開が特徴です。
自由奔放なルビイと、それに振り回される林の対比が物語の軸となっています。
4.映像・音響表現と演出
80年代らしい鮮やかな色彩とスタイリッシュな美術セットが印象的で、特にルビイの衣装や部屋のインテリアは時代を超えておしゃれに映ります。
ハンフリー・ボガードのパネルやミラーボールなど、映画愛に満ちたディテールも見どころ。
丸池納による撮影は、80年代東京の都市的美しさを効果的に捉えています。
音楽面では、小泉今日子が歌う主題歌「快盗ルビイ」(大瀧詠一作曲)がエンディングで流れ、作品全体の軽快な雰囲気を盛り上げています。
5. 製作エピソード
本作は、ヘンリー・スレッサーの短編ミステリ「快盗ルビイ・マーチンスン」の映画化として企画されました。
原作の男性主人公を女性に変更し、小泉今日子を主演に据えるという大胆な翻案を実施。
この改変により、単純な犯罪コメディから恋愛要素を含む作品へと発展させることになりました。
和田誠監督は本作について、「イラストレーターとしての経験を活かした視覚的な演出を重視した」と語っています。
ビリー・ワイルダー作品への敬愛を公言しており、「映画における音楽の可能性を探求したかった」と述べ、ミュージカル・シーンの挿入にこだわりを見せています。
小泉今日子は快盗ルビイ役について「普段の自分とは違う、少し悪戯っぽい女性を演じることができて楽しかった」とコメント。
真田広之は「コメディ演技の難しさを学んだ」と振り返り、後のキャリアにも影響を与えた作品となったことを明かしています。
撮影セットには往年のハリウッド映画へのオマージュが随所に見られ、特にアパートの階段シーンや部屋の装飾は『ティファニーで朝食を』や『泥棒成金』を意識した演出が施されています。
6.国内の評価
日本国内評価
国内では、第62回キネマ旬報ベスト・テン第10位を獲得するなど、批評的にも一定の評価を得ており、単なるアイドル映画を超えた作品性が認められたといえます。
一方で、「ストーリーがやや単調」「リアリティに欠ける」といった意見もありますが、全体的には「観た後に楽しい余韻が残る」と評価されています。
特に、和田誠監督の演出力と原作の翻案能力については高く評価されており、80年代の空気感や美術、音楽への評価も高くなっています。
7.レビューと関連作品
💯 レビュー
和田誠監督の映像センスと小泉今日子の魅力的な演技が調和して、軽やかでありながら楽しい作品となっています。
一方で、リアルさや犯罪性は全くなく、80年代の少しレトロな雰囲気を楽しめる軽いロマンスとして観るのが適当でしょう。
🍿 関連作品レコメンド
同ジャンル/テーマ
- 『シャレード』(1963)
オードリー・ヘプバーン主演。
洗練された会話劇とサスペンスが融合した傑作です。 - 『泥棒成金』(1955)
ユーモア、ロマンスと犯罪の取り合わせが共通しています。
同監督作品
- 『麻雀放浪記』(1984)
和田監督デビュー作。本作とは異なる重厚な人間ドラマながら、映像美への拘りは共通しています。
🔗 参考文献・リンク
映画.com – 快盗ルビイ作品情報
キネマ旬報データベース
快盗ルビイ – Wikipedia
小泉 今日子 | 「快盗ルビイ」HD ニューマスター版
🔄 更新情報
更新:2025年6月16日 – 初版作成