Rottenn Tomatos評価
iMDb評価
Filmarks評価
運営評価
レビュー
1. 本作の魅力:注目ポイント
- 新たなDCユニバース
新生DCユニバースの第1作目です。 - ジェームズ・ガン監督の個性
色彩豊かな映像美と、ユニークなユーモア感覚が全編にあふれています。 - 若きクラーク・ケントの葛藤
過去のヒーロー像を超え、人間的な葛藤と「優しさ」を深く掘り下げ、現代社会に求められるヒーロー像を提示しています。
2. こんな人におすすめ
おすすめ
- 新しいヒーロー像を求める方。
これまでのイメージを刷新する人間味あるヒーローです。 - ジェームズ・ガン監督のファン。
監督特有のユーモアと感動のバランスは健在です。 - DCユニバースの未来に期待する方。
新DCUの方向性を示す重要な第一歩です。 - 家族向け映画を求める方。
PG-13なので、親子でも楽しめます。
注意点
- 過去作との直接的な繋がりを求める方。
本作は世界観を一新したリブート作品で、これまでのDC映画との連続性はありません。 - アクション大作を求める方。
アクションシーンはありますが、キャラクター描写にも、多くの時間が割かれています。 - ダークな世界観を好む方。
全体的に明るく希望に満ちたトーンで、重厚な雰囲気を求める人には不向きかも。
3. 物語とテーマ
あらすじと概要
地球で育ったクリプトン人、クラーク・ケントが、自身のルーツと使命の間で葛藤し、ヒーローとして成長していく過程を描きます。
テーマと構造
本作の中心テーマは、普遍的な「アイデンティティ」と「希望」です。
スーパーマンが単なる力強いヒーローではなく、人間的な感情や葛藤を持つ存在として描かれ、現代社会における正義のあり方を問いかけます。
4. 映像・音響表現と演出
ジェームズ・ガン監督らしい色彩豊かな映像美が印象的です。
特に、スーパーマンの飛行シーンは、最新のVFX技術を駆使し、圧倒的な臨場感と美しさを両立。
アクションシーケンスは、実写とCGIの境界を感じさせない自然な仕上がりになっています。
カメラワークも動的でありながら見やすく、万人が楽しめる演出となっています。
5. 製作エピソード
本作は、ジェームズ・ガンとピーター・サフランが率いる新制「DCスタジオ」の記念すべき第一作目です。
そもそも、マーベル側で「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を製作・監督していたジェームズ・ガンがDCスタジオの共同CEOに就任したこと自体がDCUとしては大きな転換点で、本作はDCUの今後をうらなう重要な作品となっています。
そしてそのような大作で、(無名に近い)デヴィッド・コレンスウェットの抜擢は話題を呼びました。
何百人もの候補者の中から選ばれた彼は、古典的なスーパーマンの魅力と、現代的な繊細さを併せ持つ俳優として期待されての起用でした。
ジェームズ・ガン監督は、彼の過去作品での演技を見て抜擢、「優しさと人間味」が決め手だったと語っています。
また、レイチェル・ブロスナハンのロイス・レーン役については、監督は「現代的で独立した女性として描きたかった」と述べ、従来の「救われるヒロイン」像からの脱却を図っています。
愛犬クリプトの表現には最新のモーションキャプチャー技術を使用。
「犬好き」として知られるガン監督は、「クリプトはただのサイドキックではなく、スーパーマンの心の支えとなる存在」と位置づけています。
主な撮影はジョージア州アトランタのトリリス・スタジオで行われ、ジョージア州とオハイオ州を中心にロケが行われました。
音楽面では、過去のスーパーマン作品で象徴的だったジョン・ウィリアムズのテーマを尊重しつつも、現代的なアレンジや新たな楽曲が多数導入されています。
6. 国内外の評価
海外メディア評価
本作は海外メディアでは、概ね高評価を得ています。
Rotten Tomatoesでは、91%という高いオーディエンススコアを獲得。これは、1978年の『スーパーマン』と同等の評価であり、ファンからの期待の高さが伺えます。
また、Metacriticでは54のレビューに基づき、68のスコアを獲得しています。
Roger Ebert.comは「現代のスクリューボールコメディのような、鮮明に書かれ、よく演じられたやり取りが特徴」と述べ、ユーモアとシリアスのバランスを称賛しました。
New York Timesも「誠実でありながらも陽気な映画で、神話にいくつかのタイミングの良いひねりを加え、いくつかの追加キャラクターが登場する」と評価しており、新たな解釈とキャラクター描写が好意的に受け止められています。
Variety:「ヒーロー映画の新たな夜明け。デヴィッド・コレンスウェットは、我々が待ち望んだ21世紀のスーパーマンだ。希望と人間性を見事に描き出した。」
The Hollywood Reporter:「ジェームズ・ガンは不可能を可能にした。古典的なヒーローに現代的な魂を吹き込み、観客の心を鷲掴みにする。壮大で、感動的で、そして何より楽しい。」
The Hollywood Repoter :「ガン監督の色彩豊かな映像スタイルがスーパーマンの世界観に完璧にマッチしている。」
Box Office Mojoによると、全世界興行収入は公開3週間で5億2000万ドルを突破して大ヒットとなっています。
日本国内評価
国内メディアでは「シネマトゥデイ」が星4つの高評価。
「日本人にとって馴染み深いヒーロー像と、現代的解釈の融合が秀逸」と評価されています。
「映画.com」では、「家族で楽しめる作品」「子供から大人まで楽しめる王道ストーリー」といったコメントが多数寄せられています。
7. レビューと関連作品
レビュー
オープニングから、全く今までのスーパーマンとは違う展開となります。
スーパーマンの生い立ちなども、話を進めながら解説していく展開は、スピード感がある一方で、従来の正統派の展開とは、少し違った角度からのスーパーマン物語となっています。
ジェームズ・ガン監督らしく、善悪共に様々な登場人物を絡め、ユーモラスなシーンも多く、何よりスーパーマンのキャラがストイックなだけでなく、自己のアイデンティティに悩む辺りは描写が深くなっており、ヒーロー像としては斬新です。
VFXは完成度が高くリアルで、見せ場も色々と工夫があり楽しめますし、音楽の使い方などもガン監督らしく多彩な楽曲を使用しています(やはりロック系は外せない?)。
リチャード・ドナー監督版の”正統派スーパーマン”、ザック・スナイダー監督版の陰影ある”重厚なスーパーマン”と比較するのも映画ファンとしては楽しいでしょう。
キャストもフレッシュで、過去のDC作から一新されており、ここからがDCユニバースの始めとなるようで、今後が楽しみ。
次作は「スーパーガール」?
(ちなみに主要キャストの契約は10年とのことですから、続編も含めて色々な展開があるようです。)
従来の「スーパーマン」とは違った作品となっていますが、オープニングテーマや、エンド・クレジットには初期スーパーマンへのリスペクトが伺えます。
関連作品レコメンド
同ジャンル/テーマ
- 『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)
本作と同様、若きヒーローの人間的な成長と、彼を取り巻く環境との関係性を丁寧に描いています。 - 『ワンダーウーマン』(2017)
女性ヒーローの活躍を描いたDC作品。
普遍的な正義と希望のテーマが共通しており、本作と合わせて楽しめます。
同監督作
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)
ジェームズ・ガン監督の代表作。
個性的なキャラクター描写と、音楽を効果的に使用した演出は、本作にも通じるものがあります。
参考文献・リンク
映画『スーパーマン』公式サイト
スーパーマン (2025年の映画) – Wikipedia
Superman (2025) – IMDb
Superman (2025) | Rotten Tomatoes
Superman Reviews – Metacritic
‘Superman’ review: James Gunn’s version gets Superman right – NPR
Superman movie review & film summary (2025) | Roger Ebert
‘Superman’ Review: It’s a Bird, It’s a Plane, It’s a Reboot! – The New York Times
更新情報
2025年8月1日: 初回投稿
ひたすら楽しかったですね。シリアスなスーパーマンは『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』で頂点まで達した感じだったので、ジェームズ・ガン版では誰が何するか何が起きるか分からない展開を期待してましたが、期待通りでした。予備知識無い人は辛いかもしれませんね。クリプトの可愛さにはやられました(笑)