Rottenn Tomatos評価
iMDb評価
Filmarks評価
運営評価
レビュー
1. 本作の魅力:注目ポイント
- ジャンルの見事な融合。
誘拐スリラーが一転、ヴァンパイアホラーへと変貌する展開が秀逸です。 - 斬新な恐怖のバレリーナ。
アビゲイルが見せるバレエの優雅さと、残虐な捕食者の顔の対比が強烈です。 - ホラーとコメディの融合。
残虐な描写とユーモラス。会話が絶妙に絡み合います。
2. こんな人におすすめ
✅ おすすめ
- 新感覚ホラーを求める方。
王道のホラー設定に、現代的な解釈と予測不能な展開を加えています。 - スタイリッシュな映像が好きな方。
監督コンビ「ラジオ・サイレンス」特有の、洗練された映像美と容赦ないゴア描写を楽しめます。 - サバイバル・ホラー好きな方。
密室サスペンスで緊張感が持続する作品です。
⚠️ 注意点
- 過激な暴力描写が苦手な方。
派手で豪快なスプラッター描写があります。 - 古典的な怪奇映画を期待する方。
静かな恐怖よりも、エンターテインメント性の高いアクションホラー作品です。 - 深い展開や伏線を求める方。
複雑なプロットよりも、その場の勢いとスリルを楽しむ映画です。
3. 物語とテーマ
📝 あらすじと概要
犯罪者グループが、12歳のバレリーナであるアビゲイルを誘拐し身代金を要求。
しかし、一夜を過ごすの屋敷で、彼らは少女の恐ろしい正体を知ることになります。
💭 テーマと構造
誘拐犯という絶対的な強者が、少女という弱者によって狩られる側に回る恐怖を描いています。
物語は、閉鎖された屋敷を舞台にしたサバイバル劇の構造を持ち、登場人物たちの信頼と裏切りが交錯します。
4. 映像・音響表現と演出
監督コンビの手腕は、本作の映像と音響に見事に表れています。
クラシック音楽が流れる中、アビゲイルが優雅に舞うシーンは、静寂と美しさの中に不穏な緊張感を漂わせます。
その直後、音楽は激しいロックや不協和音に切り替わり、血みどろの惨劇が繰り広げられます。
この静と動のコントラストが、観る者の感情を激しく揺さぶります。
また、迷路のような屋敷の構造を活かしたカメラワークは、逃げ場のない閉塞感と絶望感を巧みに演出し、サスペンスを一層高めています。
5. 製作エピソード
本作は、ユニバーサル・ピクチャーズが往年のモンスター映画を現代に蘇らせるプロジェクトの一環として企画されました。
その題材に選ばれたのが、1936年のクラシックホラー『ドラキュラの娘』です。
監督には、『レディ・オア・ノット』や『スクリーム』シリーズで高い評価を得たホラー映画製作集団「ラジオ・サイエンス」のマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレットのコンビが抜擢されました。
彼らはインタビューで「古典への敬意を払いながらも、現代の観客が楽しめる、全く新しいモンスター映画を作りたかった」と語っています。
その言葉通り、本作は単なるリメイクではなく、原作の設定を借りた「リ・イマジニング(再創造)」作品となっています。
主役のアビゲイルを演じたアリーシャ・ウィアーは、ミュージカル『マチルダ・ザ・ミュージカル』(2023) でその才能を知られていましたが、本作では可憐さと凶暴性を見事に両立させました。
撮影中、彼女はプロのバレエダンサーから数ヶ月にわたる特訓を受け、劇中のダンスシーンを自らこなしています。
共演のダン・スティーヴンスは「彼女は本当に素晴らしかった。カメラが回っていない時は普通の少女なのに、本番になると完全にキャラクターになりきるんだ」と、そのプロ意識を絶賛しました。
メリッサ・バレラの起用については、『スクリーム』シリーズでの演技力を評価した監督陣が、より複雑な役柄への挑戦として白羽の矢を立てました。
バレラは「ジョーイという役は、強さと脆さを併せ持つ女性キャラクターで、演じがいがありました」とコメント。
※本作は、若手俳優アンガス・クラウド(ディーン役)の遺作となっています。
監督陣は彼の才能を惜しむコメントを発表し、作品において彼への追悼の意がクレジットされています。
6. 国内外の評価
🌎 海外メディア評価
公開直後から、海外メディアでは好意的な評価が相次ぎました。
Rotten Tomatoesでは、多くの批評家が「血みどろで、最高に楽しいエンターテインメント」「古典的なモンスター映画に新鮮な血を注いだ快作」と称賛しました。
Metacriticでは、批評家スコアが69点(100点満点中)で、「陽気に血みどろの騒々しい作品であり、記憶に残るアンサンブルキャストと、吸血鬼の定型を爽やかな皮肉で活性化させる機知に富んだ脚本に支えられている」と評価されています。
特に、ホラー、アクション、コメディの要素を巧みに融合させた監督の手腕と、アリーシャ・ウィアーのカリスマ的な演技が高く評価されています。
🇯🇵 日本国内評価
日本国内でも、映画ファンの間で「期待を裏切らない面白さ」「ゴア描写とユーモアのバランスが絶妙」といった肯定的な感想が多く見られます。
海外評価と同様に、ジャンルミックスの楽しさを評価する声が主流です。
7. レビューと関連作品
💯 レビュー
「少女を誘拐した犯罪者グループ、しかし彼女は…」、という展開で、そのネタが分からず観ることが出来れば、導入部分はサスペンスとしてより楽しめます。
(しかし、チラシも評論も全て彼女は○○とネタバレ)
序盤を過ぎた辺りで捕食者と被食者が逆転して、キャラの個性が活きてきて妙にエッジの効いたユーモアホラーとなっており、「スクリーム」やタランティーノ作品と通じるところがあります。
後半は派手な展開になると同時に、キャラのアンサンブルも盛り上がってきて、従来のホラーとは一味違ったテイスト作品になっています。
B級ホラーに多い、意味のないジャンプスケア(突然の大音量や、いきななり現れてビックリさせようとするシーン)が少ないのも、好感が持てます。
🍿 関連作品レコメンド
同ジャンル/テーマ
- 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996)
犯罪映画からヴァンパイアホラーへ急展開する構成が本作と共通しています。
B級映画の帝王ロバート・ロドリゲスの手腕が光るカルト的名作です。 - 『ドント・ブリーズ』(2016)
強盗に入った若者たちが、盲目の老人から反撃されるスリラー。
本作同様、狩る側と狩られる側の逆転劇が描かれます。
同監督作
- 『レディ・オ・ノット』(2019年)
閉鎖空間でのブラックユーモアと過激な描写は、本作の作風と強く通じます。
🔗 参考文献・リンク
Universal Pictures Official Site
Rotten Tomatoes – Abigail (2024)
Metacritic – Abigail Reviews
映画.com
IMDb 作品データベース
🔄 更新情報
2025年8月22日: 初回投稿