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レビュー
🌟 1. 本作の魅力:注目ポイント
- エディ・マーフィの圧倒的存在感
若きエディ・マーフィの才能が爆発した作品で、マシンガントークとアドリブ満載の演技で、一躍スターダムを駆け上りました。
コメディとアクションを自在に行き来する姿は、主人公アクセル・フォーリーというキャラクターにぴったりです。 - 軽快な80’sサウンド
ハロルド・フォルターメイヤーによるシンセサイザー音楽、特にテーマ曲「アクセルF」は本作を象徴するアイコンとなりました。映画音楽史に残る名曲として、80年代の空気感を見事に演出し、アクションとコメディをスタイリッシュに彩っています。 - 文化衝突が生むユーモア
デトロイトのストリート育ちの主人公と、ビバリーヒルズの上流社会や堅物な地元警察とのギャップが、数々の笑いを生み出します。
👤 2. こんな人におすすめ
✅ おすすめ
- 80年代の映画の雰囲気やアクション&コメディ映画が好きな方。
- エディ・マーフィのコメディや演技が好きな方。
- 理屈抜きに楽しめるアクションコメディを観たい方。
- 刑事ものやバディムービーが好きな方。
⚠️ 注意点
- 一部の描写や言葉遣いに、現代の感覚では古さや不適切さを感じるかもしれません。
- シリアスな犯罪ドラマを期待すると、コメディ色の強さに違和感を覚える可能性があります。
- 80年代特有の演出やファッションに馴染みがないと、全体に古く感じられるかもしれません。
🧠 3. 物語とテーマ
あらすじ
デトロイトの刑事が、親友の死の真相を追ってビバリーヒルズへ。
地元警察に煙たがられながらも、独自の捜査で事件の核心に迫っていきます。
テーマ
本作のテーマは、「体制への挑戦」と「異なる文化や価値観を持つ者同士の衝突と融和」です。
主人公のストリート流儀と、ビバリーヒルズの洗練された(しかし時に偽善的な)スタイルの対比がユーモアを生みます。
同時に、友情の普遍性や、組織のルールに縛られず自身の正義を貫くことの重要性も描かれています。
構造
物語は、友人の死の謎を解明するという直線的な構造ですが、奔放な行動やユーモラスなやりとりで展開します。
最初は対立していたビバリーヒルズの刑事たちが、次第に協力していく展開には、バディムービーの要素もあります。
🎬 4. 演出と技術の評価
映像表現
マーティン・ブレスト監督は、スピーディーなアクションとコミカルなシーンの緩急を見事に使い分けています。
ロサンゼルスやデトロイトの街並みを活かしたロケーション撮影が印象的。
ビバリーヒルズの陽光あふれる明るい画調は、デトロイトの寒々しい雰囲気と対照的です。
アクションシーンの躍動感あるカメラワークや、テンポの良い編集で最後まで飽きません。
音響設計
グラミー賞も受賞したテーマ曲「アクセルF」は、一度聴いたら忘れられないほどキャッチーで、作品の陽気なトーンを決定づけています。
美術・衣装
80年代のファッションやライフスタイルが色濃く反映されています。
アクセルのカジュアルなストリートファッションと、ビバリーヒルズの住民たちの洗練された服装の対比が面白いです。
高級ホテルのロビーや豪邸の内部など、華やかな世界観を表現する美術デザインも秀逸です。
象徴的なシーンの演出
アクセルがビバリーヒルズの高級ホテルにチェックインしようとするシーンは、本作のテーマを象徴しています。
また「バナナをマフラーに詰める」など、ユーモアと機転が光るシーンは本作の象徴です。
🌍 5. 海外の視点と製作の舞台裏
海外メディアの評価
公開当時、批評家からも概ね好意的な評価を得ました。
特にエディ・マーフィのパフォーマンスは絶賛されています。
Roger Ebert は、「マーフィの演技が映画全体を牽引している」と評し、彼の自信に満ちた演技とユーモアのセンスを高く評価しました。
Variety は、本作を「騒々しく、面白い、非常に抜け目のないエンターテイメント」と評し、マーフィのカリスマ性とテンポの良い脚本を絶賛しました。
Metacritic では、100点満点中66点と「概ね好意的」な評価を得ています。
製作エピソード
当初、このプロジェクトはシルヴェスター・スタローン主演の、よりシリアスなアクション映画として企画されていました。
しかし、予算や脚本の方向性の違いからスタローンが降板し、エディ・マーフィが主演に抜擢されました。
脚本は彼に合わせて大幅に書き直され、この変更が結果的に本作を大成功に導きました。
ちなみに、スタローンは、却下された脚本を元に『コブラ』を製作しています。
その因縁からか、本作の翌年に制作された『ビバリーヒルズ・コップ2』では、「コブラ」のヒロインであったブリジット・ニールセンが悪役にキャスティングされています。
また主人公が同僚の家を訪れた際に、「コブラ」の劇場版ポスターが貼られているのを一瞥するワンシーンが描かれています。
マーフィは多くのセリフを即興で演じており、この即興性が映画に生き生きとした臨場感をもたらしました。
特にホテルのチェックインシーンや美術館でのやり取りは、彼のアドリブによるものが多いそうです。
テーマ曲「アクセルF」は、当初は仮のデモトラックとして作られましたが、テスト試写で非常に好評だったため、そのまま本編で使用されることになりました。
日本国内の評価
日本でも、1985年の洋画配給収入で上位に入る大ヒットを記録し、エディ・マーフィの名前と顔を一躍有名にしました。
「アクションとコメディの絶妙な融合」「エディ・マーフィの魅力」が高く評価され、80年代洋画ブームを代表する一本となりました。
🔗 6. 関連作品レコメンド
同ジャンル/テーマ
- 『48時間』(1983)
エディ・マーフィ主演のバディ刑事アクション。よりハードな犯罪描写と笑いのバランスが特徴です。 - 『リーサル・ウェポン』(1987年)
正反対の性格の刑事二人がタッグを組む、バディアクションの傑作です。 - 『ラッシュアワー』(1998年)
東洋と西洋の文化ギャップを持つ刑事コンビが活躍するアクションコメディ。
同監督作
- 『ミッドナイト・ラン』(1988年)
マーティン・ブレスト監督の、もう一つの代表作であり傑作です。
ロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディン演じる追跡劇は、本作に通じる軽快さと人間ドラマが魅力です。。
🤔 7. レビュー
本作は、80年代を代表する、痛快なアクションコメディの傑作です。
若きエディ・マーフィの才能がスクリーン上で炸裂し、唯一無二のキャラクター、アクセル・フォーリーを生み出しました。
バックに流れる音楽は、作品の軽快なテンポとスタイリッシュな雰囲気を完璧に後押ししています。
コメディとアクション、バディムービーとしての完成度も高く、そのヒットをうけて、2作目(1987)、3作目(1994)と製作されています。
そして、驚いたことに30年ぶりに4作目がNetflixにより2024年に製作され、今年公開されています。
(しかもオリジナル・キャストで!)