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レビュー
1. 本作の魅力
- 主人公の人間臭さ。
強靱ではないNY刑事マクレーンの恐怖心と弱さが共感を呼びます。 - 悪役の鮮やかさ。
アラン・リックマン演じるハンス・グルーバーの知性と冷徹さが際立ちます。 - 閉鎖空間の緊迫感。
ナカトミ・プラザという、ビル限定での時間との戦いが見事です。
2. こんな人におすすめ
✅ おすすめ
- アクション映画ファン。
派手なアクション、手に汗握る展開が好きな方に。 - 親近感ある主人公像が好きな方。
完璧でないヒーローが少しずつ追いつめられていく描写がリアル。 - サスペンス映画ファン。
心理戦と頭脳戦が織り成す緊張感を味わいたい映画ファン。
⚠️ 注意点
- 暴力表現が多め。
リアルな銃撃や、流血が苦手な方は注意。 - 年代を感じる演出やVFX。
現在の基準で見ると“80年代の古さ”を感じる場合があります。 - 非現実的な設定。
セキュリティ対応やテロリストの計画など、現代目線では突っ込みどころがあります。
3. 物語とテーマ
📝 あらすじと概要
クリスマスイブのロサンゼルス。
NYPD刑事ジョン・マクレーンは、妻の勤務する高層ビル、ナカトミ・プラザを訪問中、テロリストにビルを占拠される。
孤立した状況で、マクレーンは人質を救うために闘うことに。
💭 中心テーマ
テーマは「普通の人の勇気」。
マクレーンはスーパーヒーローではなく、恐怖や痛みを抱える“弱いヒーロー”。
クリスマスというイベントと、テロという暴力の対比が、光と闇、日常と非日常の緊張を強めています。
4. 製作エピソード
原作はロデリック・ソープの小説 「Nothing Lasts Forever」(1979)。
この作品は、同じロデリック・ソープ原作である1968年製作 の映画「The Detective(刑事)」 の続編的要素を持ち、スタジオは契約上、「刑事」で主演したフランク・シナトラに主役をオファーしましたが、高齢などの理由で辞退。
そのため、ジョン・マクレーン役にはシルヴェスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガー、メル・ギブソンなど、多くのアクションスターが検討されましたが、辞退または候補から外れます。
その結果としてテレビドラマ Moonlighting(「こちらブルームーン探偵社」) で人気が出ていたブルース・ウィリスが抜擢されることになります。
ウィリス自身は当初、契約の都合から辞退する予定でしたが、番組が休止したことで出演可能になっています。
出演料も話題で、主演作品が少ないにもかかわらずウィリスには、当時としては破格の 500万ドル が支払われています。
Foxが、”圧倒的にタフな男”ではなく、“普通の男”という役柄が観客に共感を呼ぶと判断したためですが、それが見事に正解となりました。
悪役ハンス・グルーバーを演じたアラン・リックマンは、初のスクリーン・ヴィラン役。
シェークスピア劇団出身の彼は、単純な悪役ではなく知的で文化的な魅力を持つキャラクターを創造し、後のアクション映画における悪役像に大きな影響を与えました。
また、有名な落下シーンでは、リアルな驚きの表情を捉えるため、スタッフはリックマンに「3、2、1、ゴー」と合図すると伝えながら、実際には「1」のカウントで落下させました。
リックマンは約12メートルの高さからエアバッグが敷かれた地面に落下し、その瞬間の本物の驚きが映像に収められています。
撮影のロケーションでは、ナカトミ・プラザは実在するビル(製作会社である20世紀フォックス本社ビル)を使用。
多くのビルの中からフォックス社のビルを選んだ理由は、これほど爆発シーンが多い映画を受け入れてくれる場所はなかったから、とのこと。
一部スタント・爆破シーンによりビルの外観にも影響が及ぶほどでした。
効果音・ガラス破片などの物理的効果のリアリティ確保にこだわっています。
撮影監督ヤン・デ・ボンによる映像技術は斬新で、高層ビル内での戦闘シーンでは、実際のロケーション撮影とスタジオセットを巧妙に組み合わせ、臨場感を与える演出を実現しています。
重役室には(製作者のジョエル・シルバーが敬愛する)建築家フランク・ロイド・ライトのデザインを施すなど、美術面でも徹底的なこだわりを見せています。
5. 国内外の評価
🌎 海外メディア評価
Roger Ebert(Chicago Sun-Times/RogerEbert.com) は本作を、「計算されたアクション設計と主人公の“普通さ”が、他の派手なアクション映画との差を作っている」と評価しています。
Rotten Tomatoes では、今もなお批評家、観客共に支持率94%と非常に評価が高く、「アクション映画の金字塔」として賞賛されています。
Metacriticでは、14人の批評家による72/100を獲得しています。
🇯🇵 日本国内評価
配給収入は約11.8億円、1989年の劇場公開時に動員・収益共に大ヒット。
海外比較でも日本公開は好調で、主人公像やクリスマス要素が幅広い層に浸透しました。
(「ホーム・アローン」と並んで、クリスマス映画の定番となっていますね)
6. 総合レビューと関連作品
💯 総評
『ダイ・ハード』は、単なるヒーローアクション映画ではなく、「普通の男」が闘いに巻き込まれたとき、どうなるかを描くドラマ性が、弱さと強さを交えて心に残ります。
キャラクター造形、緊迫のアクションシーン構成、知的な悪役という鮮やかな描写など、どれをとっても文句なしです。
この作品のヒットによってブルース・ウィリスは一流スターの仲間入りを果たし、アラン・リックマンもこの後多くの作品に出演しています。
(「ハリー・ポッター」シリーズのスネイプ先生!)
ジョン・マクティアナンも多くの作品を監督、撮影監督であったヤン・デ・ボンも「スピード」では監督に進出します。
単にこの作品がアクション映画の傑作であるばかりでなく、その後のアクション映画に残した影響は計り知れないものがあります。
🍿 関連作品レコメンド
同ジャンル作品
- 『スピード』(1994)
バスを舞台にした閉鎖空間でのサスペンスアクションという点で共通しています。 - 『沈黙の戦艦』(1992)
閉ざされた戦艦内のサスペンス、個対集団の構図が類似。
同監督作
- 『プレデター』(1987)
マクティアナン監督による密林サバイバル・アクションの秀作。
🔗 参考文献・リンク
IMDb、Rotten Tomatoes、SCREEN ONLINE、The Washington Post
Roger Ebert、allcinema、映画.com、Wikipedia、
更新情報
2025年9月18日: 初回投稿