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究極の選択が世界の命運を分ける

ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング

公開年:2025 年

原題:Mission: Impossible - The Final Reckoning

上映時間 169 分

制作国:アメリカ

監督:クリストファー・マッカリー

出演:トム・クルーズ

Rottenn Tomatos評価

80%

iMDb評価

Filmarks評価

運営評価

レビュー

🌟 1. 本作の魅力:注目ポイント

 

  • 史上最高レベルの実写スタント

    「地球上で誰もできない」と監督が語る驚異的なスタントが本作最大の魅力。
    トム・クルーズが命懸けで挑む、高度8000フィート、風速140マイルという極限環境での複葉機スタントは映画史に残るアクションです。

  • AIという現代的脅威への対峙と壮大なスケール

    世界の諜報網に侵入したAI「エンティティ」という、現代社会が抱える技術的恐怖を巧みに映画的スリルに昇華。
    前作から続く人工知能との戦いが、世界規模の核の脅威へと発展します。

  • シリーズ集大成としての物語構成

    25年以上続いたシリーズの集大成として、1作目からのキャラクターたちの物語に、感動的な決着がつきます。

🎯2. こんな人におすすめ

 

✅ おすすめ

  • アクション映画に、本物の迫力を求める方。
  • シリーズを通して楽しんできたファン。
  • スパイスリラーを楽しみたい方。
  • AIやテクノロジーがもたらす未来の危機に関心がある方。
⚠️ 注意点

 

  • 激しいアクションやサスペンス描写が苦手な方には向かないでしょう。
  • 過去作の知識がないと、人間関係や伏線が分かりにくい場合があります。
  • アクションシーンに重点が置かれているため、緻密な謀略劇を期待する方には物足りないでしょう。
  • 2時間49分の長尺なので、集中力が必要です。

3. 物語とテーマ

 
📝 あらすじと概要

 

イーサン・ハントとIMFチームは、新たな仲間を得て、世界を支配しようとするAI「エンティティ」と、その代理人ガブリエルの陰謀を阻止するため、各国を舞台に極限のミッションへ挑みます。

 

💭 テーマと構造

 

本作のテーマは「選択」と「犠牲」です。

冒頭の「我々の人生は選択の総和である」というナレーションが示す通り、シリーズを通して、イーサン・ハントがこれまで行ってきた選択、そして犠牲が総括されていきます。

そして、彼らが直面する究極の選択が、物語を動かしていきます。

 

4. 映像表現と演出

 

🖼️ 映像表現

マッカリー監督とフレイザー・タガート撮影監督のコンビは、IMAXカメラを駆使した圧倒的な映像美を実現。

実写スタントを最大限に活かした躍動感あふれるカメラワークが特徴的です。

特に複葉機シーンでは、実際の高度8000フィートでの撮影により、CGIでは決して得られない本物の迫力が画面から伝わってきます。

ノルウェーのスヴァールバル諸島やマルタ、南アフリカなど、多彩なロケーション撮影による壮大な自然景観と、緻密に設計されたアクションシーンの対比が見事です。

色彩設計においては、冷たく無機質なAIの脅威を表現するブルー系の色調と、人間の温かみを象徴する暖色系のバランスが巧妙に配置されています。

 

🎵 音響表現

 

マックス・アルージとアルフィー・ゴッドフリーによる音楽は、シリーズ伝統のテーマを継承しつつも、本作独自の緊迫感と壮大さを加えています。

 

✨印象的なシーン

 

最も印象的なシーンは、イーサンが空中で「ポイズン・ピル」をポドコヴァに挿入するクライマックスでしょう。

カメラは360度回転しながらイーサンの決断の瞬間を捉えます。

彼の表情と空の広大さを対比させることで、一人の人間の選択が世界の命運を左右するという本作のテーマを視覚的に表現しています。

 

5. 製作背景

 

🎥制作エピソード

 

2019年1月、トム・クルーズはシリーズ7作目と8作目を連続して撮影することを発表し、クリストファー・マッカリーが両作品の脚本・監督を担当することが決定しました。

しかし、パンデミックの影響、そして2023年7月からのSAG-AFTRAのストライキにより撮影が中断し、撮影再開は2024年3月まで待つことになりました。

撮影はイギリス、マルタ、南アフリカ、ノルウェーなど世界各地で行われ、特にノルウェーでの複葉機シーンは映画史に残る偉業となりました。

マッカリーは航空機シーケンスの撮影について「トムは急速に体力を失い始めていた」と語っており、実際の危険に直面しながらも完璧な映像を追求する制作現場の緊迫感が伝わってきます。

潜水艦シーンの撮影は技術的に最も困難だったと製作陣は振り返り、クルーズは特殊な潜水装置の使用法を習得するため、数ヶ月のトレーニングを積んでいます。

予算は3億〜4億ドルと推定され、シリーズそして映画史上最大規模となっています。

2023年10月、映画のサブタイトルから『Dead Reckoning Part Two』が削除され、2024年11月に新しいサブタイトルが『The Final Reckoning』に決定しています。

 

6. 国内外の評価

 

🌎 海外メディアの評価

 

Rotten Tomatoesでは批評家スコア80%、観客スコア89%の高評価を獲得しています。

Varietyは「クルーズの献身的なパフォーマンスと息を呑むようなスタントワークが、この大作アクション映画を単なるエンターテイメントを超えた芸術的達成へと高めている」と絶賛。

Roger Ebertサイトでは「アクション映画の新たな基準を打ち立て、同時に人間ドラマとしての深みも兼ね備えた、ジャンルの頂点に立つ作品」という高評価となっています。

 

🇯🇵 日本国内の評価

 

日本国内でも本作は高い評価を受けており、多くの映画評論家が「シリーズ最高傑作」と称えています。

特に実写スタントへのこだわりと、日本でも人気の高いトム・クルーズの献身的な演技が高く評価されています。

 

7. レビューと関連作品

 

💯レビュー

本作は、アクション映画というジャンルにおける技術的な到達点を示すと同時に、長期にわたるシリーズの感情的な完結を見事に達成した作品です。

シリーズ作品との関りが多く、それがドラマに奥行きを与える一方で、新たなメンバーの参加が間口を広げています。

シンギュラリティが近いと言われる昨今、AIという現代的な脅威を取り入れながらも、人間の意志と絆の力を前面に押し出した物語構成は、エンターテインメント性と社会的なメッセージ性を見事に両立しています。

何より、デジタル技術全盛の現代映画界において、実写スタントと本物のロケーション撮影にこだわり抜いた本作は、映画本来の面白さを思いださせてくれます。

トム・クルーズの俳優としての情熱と、クリストファー・マッカリー監督との息の合ったコラボレーションこそが、本作の成功の大きな要因でしょう。

「ミッションインポッシブル」はタイトルであるばかりでなく、この2作の困難に満ちた作品製作そのものを表しています。


シリーズファンにとっては満足度の高い完結編であり、アクション映画ファンにとっては必見の作品です。
観終わったあと、とにかく”凄いものを観た”という印象が強烈に残ります。

サブタイトルの「The Final Reckoning」は、”最後の清算”と言う意味であり、それはシリーズキャラの到着点であると同時に、30年近くに渡るシリーズ自体の到達点も表しています。

残念ながら、これでシリーズが終わりと言う意味合いともなるのでしょう。

 

🍿関連作品レコメンド

 

  • 同ジャンル/テーマ

    『『ジェイソン・ボーン』(2016)

     テクノロジーと個人の戦いを主題にし、リアルなアクションとサスペンスを追求した点で本作と通じるものがあります。

  • 『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)

    実写アクションシーンにこだわる制作姿勢と、主人公の個人的な動機に根ざした物語展開において共通する魅力があります。

同監督作

  • 『トップガン マーヴェリック』(2022)

    マッカリー監督が脚本に参加し、トム・クルーズ主演のこの作品も、実写撮影へのこだわりと壮大なスケールという点で本作と共通しています。

🔗 参考文献・リンク

Wikipedia: Mission: Impossible – The Final Reckoning
Motion Picture Association: Tom Cruise and Christopher McQuarrie’s Final Dive
Radio Times: Mission: Impossible – The Final Reckoning cast
Metacritic: Mission: Impossible – The Final Reckoning ReviewsThe Movie Blog: Mission Impossible The Final Reckoning Review
Paramount Pictures公式サイト

🔄 更新情報
更新:2025年6月3日 – 初回レビュー公開

関連リンク

他の「ミッションインポッシブル」シリーズ作品:「デッドレコニング ( 7作目 ) 」

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