Rottenn Tomatos評価
89%
iMDb評価
Filmarks評価
運営評価
レビュー
1. 本作の魅力:注目ポイント
- デヴ・パテルの情熱
監督・主演・脚本を務めたパテルの、映画製作への並々ならぬ情熱と覚悟が全編に溢れています。
- 圧巻のノストップアクション
骨太な肉弾戦と独自のカメラワークが、観る者を圧倒します。
- 会社会派メッセージの織り込み
単なる復讐映画に留まらず、政治的弾圧や宗教的迫害といった、現代インドの社会問題を鋭く描写しています。
2. こんな人におすすめ
✅ おすすめ
- 骨太なアクション映画を求める方。
「ジョン・ウィック」のような、激しいアクションが好きな方には特におすすめです。
- 社会派ドラマに興味がある方。
インドの社会問題や格差に焦点を当てた、深いテーマ性を持つ作品です。
- デヴ・パテルのファン。
監督・主演として、彼の新たな才能と情熱を感じられる一作です。
⚠️ 注意点
- 暴力描写が苦手な方。
過激な暴力シーンや、流血描写が含まれています。
- 物語の暗いトーンが苦手な方。
全体的に重く、シリアスな雰囲気で進行します。
- 完璧なストーリーを求める方。
アクションとメッセージ性に重きを置いているため、物語の整合性よりも勢いを重視しています。
3. 物語とテーマ
📝あらすじと概要
幼い頃に村を焼かれ母を失ったキッドは、闇のファイトクラブで「モンキーマン」として生きています。
しかし、過去の復讐を果たすため、巨大な権力に立ち向かっていくことに。
💭 テーマと構造
本作の中心的なテーマは、復讐、そして貧困や不正義といった社会問題です。
物語はキッドの個人的な復讐の旅を追いながら、インド社会の暗部を浮き彫りにします。
神話的な要素と現実的な描写が組み合わさることで、単なるアクションに留まらない深いメッセージが込められています。
4. 映像・音響表現と演出
手持ちカメラを多用したカメラワークにより、アクションシーンでは、その場にいるかのような臨場感があります。
色彩は、インドの混沌とした街並みを表現するために、暗く、時に鮮烈なコントラストで描かれています。
音楽は、インドの伝統的な要素と現代的なサウンドが融合し、物語の感情的な深みを増幅させています。
5. 製作エピソード
『モンキーマン』はデヴ・パテルが8年以上温め続けた企画で、初監督作として強い情熱を注いだ作品です。
当初はムンバイのスラムでの撮影を予定していましたが、コロナ禍によりインドでの撮影が不可能となり、急遽インドネシアへロケ地を変更。
このため美術スタッフやスタントチームの離脱、予算不足、機材調達の困難など多くのトラブルに直面しました
制作費わずか1000万ドルという低予算のため、撮影機材が故障した際には、GoProやスマートフォンでの撮影を余儀なくされました。
また、パテルは撮影2日目に手を骨折し、戦闘シーンを片手でも演じられる内容に変更する必要がありました。
アクションシーンの撮影中に肩もひどく傷め、バスルームの床を這いずるシーンの撮影後には、目感染症にも苦しめられたといいます。
2021年3月、Netflixが本作の配信権を3000万ドルで獲得し、翌2022年に配信される予定でした。
しかし、映画監督のジョーダン・ピールは本作を鑑賞し、「映画館で上映されるに値する作品」と確信。
ピールの尽力により、本作はユニバーサル・ピクチャーズの配給で全米公開されることになりました。
6. 国内外の評価
🌎 海外メディアの評価
Rotten Tomatoesでは、批評家支持率89%で、見解の要約では、「パテルは監督デビュー作から大胆不敵な作品を撮ってみせた。『モンキーマン』は、社会や政治に対する批判とアクションが融合されている」と評しています。
Metacriticでは、72/100となっており、概ね好意的な評価を受けています。
Varietyは「デヴ・パテルが、監督・主演を務めた、大胆かつ時にぎこちないアクション映画と、スラム街の寓話の融合である」と評しています。
The Guardianは「能力の覚醒を描く、陰鬱かつ骨太な復讐劇」と評し、Rolling Stoneは「荒削りだがジャンルへの愛が溢れる」と指摘。
興行面でも成功を収め、1000万ドルの予算に対して世界興行収入3500万ドルを記録し、批評的にも商業的にも成功を収めました。
🇯🇵 日本国内の評価
日本国内でも、海外での評価と共通して、パテルの肉体的な演技と、リアリティを追求した演出が、観客に強い印象を与えています。
7. レビューと関連作品
💯 レビュー
デヴ・パテルの監督としての才能と、アクションスターとしての可能性を証明した一作となりました。
インドの社会問題と神話を融合させた重厚なテーマを、生々しいバイオレンス描写と共に描き切っています。
ただし、ストーリーには改善の余地もあり、キャラも弱く、中盤がダレるのは残念でした。
とは言え、バデル監督が新たな才能である事は間違いなく、今後の作品が楽しみと言えます。
🍿 関連作品レコメンド
同ジャンル/テーマ
- 『ジョン・ウィック』(2014)
復讐をテーマにした、スタイリッシュなアクションが魅力です。
- 『ザ・レイド』(2011)
インドネシア発の、壮絶な格闘シーンが見どころで、隠れた傑作アクションです。
同監督作
- 本作が監督デビュー作のため、今後の作品に期待!です
🔗 参考文献・リンク
モンキーマン (映画) – Wikipedia
Monkey Man | Rotten Tomatoes
Monkey Man Reviews – Metacritic
“Monkey Man” Review: Dev Patel’s Mashup of Action and Slumdog Fable – Variety
映画『モンキーマン』オフィシャルサイト
YouTube: デヴ・パテル監督インタビュー
🔄 更新情報
更新:2024年6月10日 – 初版作成