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怒れる猿神、復讐の鉄槌を下す

モンキーマン

公開年:2024 年

原題:Monkey Man

上映時間 121 分

制作国:アメリカ

監督:デヴ・パテル

出演:デヴ・パテル

Rottenn Tomatos評価

89%

iMDb評価

Filmarks評価

運営評価

レビュー

1. 本作の魅力:注目ポイント

 

  • デヴ・パテルの情熱
    監督・主演・脚本を務めたパテルの、映画製作への並々ならぬ情熱と覚悟が全編に溢れています。
  • 圧巻のノストップアクション
    骨太な肉弾戦と独自のカメラワークが、観る者を圧倒します。
  • 会社会派メッセージの織り込み
    単なる復讐映画に留まらず、政治的弾圧や宗教的迫害といった、現代インドの社会問題を鋭く描写しています

2. こんな人におすすめ

✅ おすすめ

  • 骨太なアクション映画を求める方。
    「ジョン・ウィック」のような、激しいアクションが好きな方には特におすすめです。
  • 社会派ドラマに興味がある方。
    インドの社会問題や格差に焦点を当てた、深いテーマ性を持つ作品です。
  • デヴ・パテルのファン。
    監督・主演として、彼の新たな才能と情熱を感じられる一作です。
⚠️ 注意点

  • 暴力描写が苦手な方。
    過激な暴力シーンや、流血描写が含まれています。
  • 物語の暗いトーンが苦手な方。
    全体的に重く、シリアスな雰囲気で進行します。
  • 完璧なストーリーを求める方。
    アクションとメッセージ性に重きを置いているため、物語の整合性よりも勢いを重視しています。

3. 物語とテーマ

 

📝あらすじと概要

 

幼い頃に村を焼かれ母を失ったキッドは、闇のファイトクラブで「モンキーマン」として生きています。

しかし、過去の復讐を果たすため、巨大な権力に立ち向かっていくことに。

 

💭 テーマと構造
 
本作の中心的なテーマは、復讐、そして貧困や不正義といった社会問題です。

物語はキッドの個人的な復讐の旅を追いながら、インド社会の暗部を浮き彫りにします。
 
神話的な要素と現実的な描写が組み合わさることで、単なるアクションに留まらない深いメッセージが込められています。
 

4. 映像・音響表現と演出

 

手持ちカメラを多用したカメラワークにより、アクションシーンでは、その場にいるかのような臨場感があります。
 
色彩は、インドの混沌とした街並みを表現するために、暗く、時に鮮烈なコントラストで描かれています。
 
音楽は、インドの伝統的な要素と現代的なサウンドが融合し、物語の感情的な深みを増幅させています。
 

 5. 製作エピソード

 

『モンキーマン』はデヴ・パテルが8年以上温め続けた企画で、初監督作として強い情熱を注いだ作品です。
 
当初はムンバイのスラムでの撮影を予定していましたが、コロナ禍によりインドでの撮影が不可能となり、急遽インドネシアへロケ地を変更。
 
このため美術スタッフやスタントチームの離脱、予算不足、機材調達の困難など多くのトラブルに直面しました
 
制作費わずか1000万ドルという低予算のため、撮影機材が故障した際には、GoProやスマートフォンでの撮影を余儀なくされました。
 
また、パテルは撮影2日目に手を骨折し、戦闘シーンを片手でも演じられる内容に変更する必要がありました。
 
アクションシーンの撮影中に肩もひどく傷め、バスルームの床を這いずるシーンの撮影後には、目感染症にも苦しめられたといいます。
 
2021年3月、Netflixが本作の配信権を3000万ドルで獲得し、翌2022年に配信される予定でした。
 
しかし、映画監督のジョーダン・ピールは本作を鑑賞し、「映画館で上映されるに値する作品」と確信。
 
ピールの尽力により、本作はユニバーサル・ピクチャーズの配給で全米公開されることになりました。
 
 

 6. 国内外の評価

 

🌎 海外メディアの評価

 

Rotten Tomatoesでは、批評家支持率89%で、見解の要約では、「パテルは監督デビュー作から大胆不敵な作品を撮ってみせた。『モンキーマン』は、社会や政治に対する批判とアクションが融合されている」と評しています。
 
Metacriticでは、72/100となっており、概ね好意的な評価を受けています。
 
Varietyは「デヴ・パテルが、監督・主演を務めた、大胆かつ時にぎこちないアクション映画と、スラム街の寓話の融合である」と評しています。
 
The Guardianは「能力の覚醒を描く、陰鬱かつ骨太な復讐劇」と評し、Rolling Stoneは「荒削りだがジャンルへの愛が溢れる」と指摘。
 
興行面でも成功を収め、1000万ドルの予算に対して世界興行収入3500万ドルを記録し、批評的にも商業的にも成功を収めました。
 
🇯🇵 日本国内の評価

 

日本国内でも、海外での評価と共通して、パテルの肉体的な演技と、リアリティを追求した演出が、観客に強い印象を与えています。

 

 7. レビューと関連作品

 

💯 レビュー

 

デヴ・パテルの監督としての才能と、アクションスターとしての可能性を証明した一作となりました。
 
インドの社会問題と神話を融合させた重厚なテーマを、生々しいバイオレンス描写と共に描き切っています。
 
ただし、ストーリーには改善の余地もあり、キャラも弱く、中盤がダレるのは残念でした。
 
とは言え、バデル監督が新たな才能である事は間違いなく、今後の作品が楽しみと言えます。
 
🍿 関連作品レコメンド

 

同ジャンル/テーマ
 
  • 『ジョン・ウィック』(2014)
    復讐をテーマにした、スタイリッシュなアクションが魅力です。
  • 『ザ・レイド』(2011)
    インドネシア発の、壮絶な格闘シーンが見どころで、隠れた傑作アクションです。
同監督作

  • 本作が監督デビュー作のため、今後の作品に期待!です

🔗 参考文献・リンク

モンキーマン (映画) – Wikipedia
Monkey Man | Rotten Tomatoes
Monkey Man Reviews – Metacritic
“Monkey Man” Review: Dev Patel’s Mashup of Action and Slumdog Fable – Variety
映画『モンキーマン』オフィシャルサイト
YouTube: デヴ・パテル監督インタビュー

🔄 更新情報

更新:2024年6月10日 – 初版作成
 

関連リンク

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