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レビュー
1. 本作の魅力:注目ポイント
- SNS社会への鋭い風刺
「いいね!」やフォロワー獲得に執着するSNS文化を、ブラックユーモアとともに痛烈に風刺しています。 - 予測不能なストーリー展開
コメディ、ミステリー、サスペンスの要素を巧みに組み合わせた構成は、観客を最後まで惹きつけます。 - 新鋭監督と主演の鮮烈な個性
長編デビューとなるソフィー・カーグマン監督の独自の演出と、カーシー・クレモンズの繊細かつユーモラスな演技が光ります。
2. こんな人におすすめ
✅ おすすめ
- SNSやインフルエンサー文化に興味がある方。
- ブラックユーモアの効いたミステリーが好きな方。
- 新しい才能や個性的な演出を求める映画ファン。
⚠️ 注意点
- シリアスなサスペンスを期待する人にはやや軽快すぎるかもしれません。
- 勧善懲悪がはっきりした、明快なミステリーを期待する方。
- SNS文化への風刺が強いため、題材に共感できない方には合わない可能性があります。
- 物語の展開が予想外に変化するため、王道ミステリーを求める方には好みが分かれるかもしれません。
3.物語とテーマ
📝 あらすじと概要
大学生スージーは、人気のないポッドキャストを続ける日々。
ある日、同級生で人気インフルエンサーのジェシーが失踪し、スージーは事件の謎を追う配信で一躍注目される存在となりますが…。
💭 テーマと構造
本作は、SNS時代の名声と承認欲求、そして「真実」と「演出」の境界を問いかけます。
SNSによって誰もが発信者となり、注目が通貨となる世界で、事実はどのように歪められ、消費されていくのか。
スージーの行動を通して、承認欲求という名の野心の危うさを描きます。
同時にトゥルークライム・ブームの背後にある、娯楽として他人の不幸を消費する現代社会の病理を浮き彫りにしています。
4. 映像表現と演出
🖼️ 視覚表現
色彩はポップで明るく、SNSや現代的な空気感を強調。
画面分割やインサートカットを多用し、テンポの良い編集で情報を提示します。
特に、スージーのポッドキャスト配信画面やSNSの描写が効果的です。
🎵 音響表現
BGMは控えめながらも、不安を煽るアンビエント・サウンドが使用され、観客の潜在的な不安感を増幅させています。
✨ 印象的なシーン
事件の真相が明かされる場面では、カメラワークや編集が緊張感を高め、観客の予想を裏切る演出が光ります。
5. 製作背景
🎥 制作エピソード
本作はソフィー・カーグマン監督が2020年に発表し、サンダンス映画祭などで高く評価された短編映画を、長編映画として発展させたものです。
カーグマン監督は「現代社会の名声や承認欲求を、ユーモアとサスペンスで描きたかった」と語っています。
主演のカーシー・クレモンズも「スージー役は自分の中の孤独や野心を重ねて演じた」とインタビューで述べています。
また、共演のアレックス・ウルフは「インフルエンサーという存在の表と裏を描くこの作品は、現代社会への警告でもある」と語っています。
撮影においては、色彩設計に特に力が入れられ、監督自身が「色彩は単なる視覚的要素ではなく、物語を語る言語の一部」だと考えていたことが伺えます。
特にミント色の使用は、表面上の爽やかさと内面の不穏さを同時に表現するための重要な視覚的要素だったとのことです。
6. 国内外の評価
🌎 海外メディアの評価
トロント国際映画祭でのプレミア以来、「SNS文化への鋭い風刺が現代的」と高評価を受ける一方、物語後半の展開については賛否が分かれています。
Rotten Tomatoesでは51%と評価が割れています。
RogerEbert.comでは「序盤は良いが後半で失速」「『スージーサーチ』は観客を探している映画」という評価を受けており、作品のターゲット層の曖昧さが指摘されています。
IIndieWireが「SNS時代の承認欲求を鋭く風刺した作品」と評価し、The Guardianは「カーシー・クレモンズの演技が光る、予測不能なダークスリラー」と評価しています。
🇯🇵 日本国内の評価
日本では特に若い世代から支持を集めており、映像表現や色彩設計への評価が高い傾向にあり、視覚的な魅力が強調されています。
SNS社会やインフルエンサー文化への関心が高く、テーマ性や風刺性が共感を呼んでいます。
7. レビューと関連作品
💯 レビュー
SNS時代の承認欲求と名声の危うさを、ブラックコメディとサスペンスで描き、現代社会に問いを投げかける作品です。
新鋭監督と主演俳優の個性が際立ち、ジャンルの枠を超えた独自の世界観を構築しています。
物語の大胆な構成や風刺性は賛否を呼ぶものの、現代的なテーマと演出で強い印象を残します。
🍿 関連作品レコメンド
同ジャンル/テーマ
- 『トラジディ・ガールズ』(2017年)
SNSと承認欲求をテーマにしたブラックコメディで、本作と同様に現代社会の闇を風刺していますが、より過激な展開が特徴です。 - 『ゴーン・ガール』(2014)
メディアを巧みに利用し、世論を味方につけていく様を描いた傑作スリラー。
同監督作
- 『Query』(2020)
ソフィー・カーグマン監督の短編作品(日本未公開)。
🔗 参考文献・リンク
https://www.cinemacafe.net/article/2024/06/23/92230.html
https://lp.p.pia.jp/event/movie/349410/index.html
https://www.kinejun.com/cinema/view/99726
https://en.wikipedia.org/wiki/Susie_Searches
https://www.rogerebert.com/reviews/susie-searches-movie-review-2023
https://www.tvguide.com/movies/susie-searches/cast/2000518861/
https://www.imdb.com/title/tt13733780/releaseinfo/
https://mashable.com/article/susie-searches-review
https://sundae-films.com/susie/
https://www.rottentomatoes.com/m/susie_searches
https://www.imdb.com/title/tt13733780/
https://filmaga.filmarks.com/articles/300305/
https://otocoto.jp/news/susie0523/
https://niewmedia.com/news/046096/
🔄 更新情報
更新:2025年6月6日 – 初稿公開