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レビュー
1. 作品概要と魅力
📺 予告編動画
📝 あらすじ
第二次大戦後のシチリア島。貧困と抑圧に苦しむ村人たちを背景に、義賊的存在となったサルヴァトーレが、マフィア・地主・国家権力と対峙しながら運命に立ち向かう姿を描きます。
💎 本作の魅力
- 圧倒的な映像美
地中海の光と影を巧みに捉えた撮影が、物語に詩的な深みを与えています。 - 複雑な政治構造
マフィア、教会、政府が絡み合う戦後イタリアの権力構図を克明に描いています。 - 伝説的な人物を描く
『ゴッドファーザー』の原作者マリオ・プーゾが描く、実在の義賊サルヴァトーレ・ジュリアーノの生涯を基にした重厚な物語です。
2. おすすめ視聴ポイント
✅ こんな人におすすめ
- 『ゴッドファーザー』のファン
マフィア映画の系譜に連なる重厚な人間ドラマです。 - 歴史的事実に基づく作品を好む方
実在人物ジュリアーノの生涯を軸に、戦後イタリア史の暗部を描いています。 - 映像芸術としての完成度を重視する方
チミノ監督特有の映画美学を堪能できる作品です。
⚠️ 注意点
- 上映バージョンによる違い
劇場公開版(115分)とディレクターズカット版(140分)では、監督の意図と構成が大きく異なります。 - 複雑な人物関係と政治背景
登場人物が多岐にわたり、シチリア現代史の知識がないとわかりにくい部分があります。 - 暴力描写の生々しさ
銃撃戦や処刑場面が描写されています。
3. 視聴方法
📺 配信サービス対応表
| サービス名 | 配信状況 | 備考 |
|---|---|---|
| Netflix | 配信なし | – |
| Amazon Prime Video | レンタル/購入可 | MGMチャンネルで見放題配信 |
| U-NEXT | 配信なし | – |
| Hulu | 配信なし | – |
| Disney+ | 配信なし | – |
| Apple TV+ | レンタル/購入可 | HD/4K対応 |
※配信情報は2025年10月時点のものです。最新情報は各サービスでご確認ください。
※ディレクターズカット版(140分)の配信は限定的です。
4. 製作エピソード
本作はマリオ・プーゾによる1984年の小説『The Sicilian』が原作で、プーゾが『ゴッドファーザー PART II』の脚本執筆中に着想を得たもので、シチリアの伝説的な義賊サルヴァトーレ・ジュリアーノの史実がベースとなっています。
プーゾは『ゴッドファーザー』のマイケル・コルレオーネがシチリアに潜伏する場面でジュリアーノに言及しており、両作品は同一世界観を共有する設定となっています。
監督のマイケル・チミノは『ディア・ハンター』(1978)でアカデミー賞を受賞後、『天国の門』(1980)の商業的大失敗により映画界での立場を失います。
(詳細は「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」参照)
本作は彼にとって完全復権をかけた重要な作品でした。。
チミノ監督は完璧主義者として知られ、「風景そのものが登場人物の一部」と語り、自然光を活かした撮影にこだわり、シチリアでの長期ロケーション撮影を敢行。
実際のジュリアーノゆかりの地であるモンテレープレや、カステルヴェトラーノで撮影を行い、地元住民をエキストラとして大量動員しています。
しかし、一つのシーンに何十テイクも費やす手法を今回も貫き、そのため撮影期間は予定を大幅に超過し、予算も膨張しています。
何より、製作会社との最大の対立点は上映時間でした。
チミノは当初180分を超える編集版を提出しましたが、配給会社は商業的理由から大幅な短縮を要求。
ファイナルカット(最終編集権)を巡って、チミノとスタジオは争いますが、最終的に劇場公開版はスタジオが主張する115分に削られてしまいます。
劇場公開版では、重要な背景説明や人物描写が失われためにストーリーの連続性が損なわれ、批評家や観客から「理解困難」との指摘を受ける結果となりました。
後年、140分のディレクターズカット版が公開され、チミノの本来の意図により近い形で作品を鑑賞できるようになり、作品の評価が見直されてきています。
主演のクリストファー・ランバートは、役作りのため数週間シチリアに滞在し、地元の方言や身振りを研究しています。
名優テレンス・スタンプは冷酷なマフィアのボスとして貫禄ある演技を披露し、ジョス・アクランドは腐敗した司祭役で作品に深みを与えています。
5. 国内外の評価
🌎 海外メディア評価
本作は批評家から厳しい評価を受け、北米興行収入は540万ドルに留まり、商業的には成功を収めたとは言えませんでした。
Roger Ebertは2星(4つ星中)の評価を与え、「美しい映像だが物語が散漫で感情移入が困難」と指摘。
チミノの映像美学を認めつつも、劇場公開版の編集が作品の理解を妨げていると批判しました。
The New York TimesのVincent Canbyは「野心的だが失敗作」と評し、『天国の門』と同様の過剰さが作品を損なっていると述べています。
一方で、一部の批評家はチミノの映像スタイルとシチリア描写を高く評価した。
📊 評価スコア比較
| サイト名 | スコア | 詳細 |
|---|---|---|
| Rotten Tomatoes | 批評家: 10% / 観客: 42% | 批評家14件、観客レビュー1,000件以上 |
| Metacritic | Metascore: 46/100 | 8件の批評に基づく |
| IMDb | 5.4/10 | 6,800票以上 |
| Filmarks | 3.2/5.0 | 日本国内レビュー約150件 |
※データ取得日:2025年10月28日
🇯🇵 日本国内評価
日本においても興行的には成功せず、当時のキネマ旬報では「映像は美麗だが物語の焦点が定まらない」と評されています。
マフィア映画というジャンルへの関心はあったものの、『ゴッドファーザー』シリーズと比較され、その複雑さと冗長さが日本の観客にも受け入れられませんでした。
これはシチリア現代史への馴染みの薄さや、ディレクターズカット版の入手困難さが影響していると考えられます。
6. 総合レビューと関連作品
💯 総評
今見ても、マイケル・チミノの映像センスは時代を超越しており、シチリアの荒涼とした大地を背景にした銃撃戦や、光と影を駆使した人物描写には鮮烈な印象があります。
一方で、戦後イタリア史の知識がないと、政治と暴力、そして宗教が交錯する複雑な状況がわかりにくく、大幅にカットされた「劇場版」では、物語に入り込めない部分があります。
(今から見るのであれば「ディレクターズカット版」がおススメです)
チミノ監督にとっては、「天国の門」の壊滅的失敗のあと、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」で再評価を得ながらも、本作での再びの低評価となり、以後は小粒な作品を2本撮るだけで、そのキャリアが終わる事となりました。
🍿 関連作品レコメンド
同ジャンル・テーマ作品
- 『ゴッドファーザー PART II』(1974)
同じくシチリアを舞台にマフィアの起源を描いており、プーゾ原作つながりで世界観を共有します。 - 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)
巨匠セルジオ・レオーネ監督の遺作。
壮大な犯罪叙事詩として、共通する映画美学を持つ傑作です。 - 『シシリーの黒い霧』(1962)
フランチェスコ・ロージ監督が、ドキュメンタリータッチで、サルバトーレ・ジュリアーノを描いた作品です。
同監督作品
- 『ディア・ハンター』(1978)
チミノ監督のアカデミー賞受賞作。
長尺と映像美学で『シシリアン』との共通性を持つ傑作戦争ドラマ。 - 『天国の門』(1980)
製作トラブル(多大な予算超過と興行失敗)で「地獄の黙示録」と並ぶ”映画災害”とされています。
しかし、その映像へのこだわりは『シシリアン』と重なる、抒情詩的な西部劇の傑作です。
参考文献・リンク
Roger Ebert.com、Metacritic、Rotten Tomatoes、IMDb
MovieWalker Press、MSCREEN ONLINE、Variety、
The New York Times、キネマ旬報、
allcinema、映画.com、Wikipedia
更新情報
2025年10月28日: 初回投稿
2025年11月1日: 第2稿投稿

