『ジョーカー フォリア・ドゥ』は、バットマンのアンチテーゼとしての”ジョーカー”ではなく、心に病を抱えた哀れなピエロとしての”ジョーカー”を描いている。
計算された映像美と濃密な演出は見事だが、ミュージカルシーンの多さには辟易させられる。
興味深いのは、圧巻の演技で挑んだホアキン・フェニックスを凌ぎ、レディー・ガガの歌唱力と存在感がより鮮烈に印象に残る点だ。観る者を揺さぶる作品だが、物語の長さに再考の余地が残る。