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ブルース・ブラザーズ

黒いスーツに宿る魂の救済ミッション

公開年:1981 年 (製作年:1980 年 )

原題:The Blues Brothers

上映時間 133 分

制作国:アメリカ

監督:ジョン・ランディス

出演:ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド

ストーリー:

サタデー・ナイト・ライブから生まれた伝説的コンビが奏でる、音楽と笑いと破壊の狂騒曲。

Rottenn Tomatos評価

71%

iMDb評価

Filmarks評価

運営評価

映画レビュー

🌟注目のポイント

伝説級ミュージシャンの共演

レイ・チャールズ、ジェームス・ブラウン、アレサ・フランクリン…
レジェンドとなっているミュージシャン達による、圧巻のパフォーマンスは必見です。

常識破りのカーチェイス

ショッピングモールを突き抜け、パトカーを山積みにする。
やりすぎ感満載のカーアクションは、コメディ映画史に残る爽快感です。

ジョン・ベルーシの存在感

早世した天才コメディアン、ジョン・ベルーシ。
破天荒ながらも愛すべきキャラクターを作り上げています。

👤 こんな人におすすめ

✅ おすすめ

・本格的なブルースやR&B音楽が好きな人

・ド派手なアクションやカーチェイスを楽しみたい方

・80年代アメリカのカルチャーに興味ある方

・細かいことは気にせず笑い飛ばしたい気分の時

⚠️ 注意点

・倫理的に?な描写や、過激すぎる破壊シーンがあります。

・コメディと音楽が中心で、緻密なストーリー展開を期待する方には不向き

🧠 物語の核心

あらすじ

出所したジェイク・ブルース(ベルーシ)は、弟エルウッド(エイクロイド)と共に、彼らが育った孤児院を救うための資金集めに奔走します。

「神からの使命」を果たすべく、彼らは昔のバンドメンバーを再結成し、大きなショーを開催しようとしますが、警察や元婚約者、ネオナチまでもが彼らの行く手を阻みます。

テーマ分析
一見すると単なるコメディ映画に見えますが、実際は「救済」と「償い」というテーマがあります。

主人公たちは過去の過ちを償い、自分たちを育ててくれた孤児院を救うという「使命」に取り組みます。

また、本作の根底には「音楽への深い愛とリスペクト」があります。

1970年代末のディスコ全盛期に、忘れられつつあったブルースやR&Bといった、黒人音楽の魅力を再発見させるという、文化的な意義も持っていました。

構造

シンプルな「目的達成型」のロードムービー構造です。次々と現れる障害を、音楽とバイオレンス(主にカーチェイス)で突破していく展開が、痛快さと疾走感を生み出しています。

そして、ストーリーの合間に挿入される本格的な音楽シーンは、作品のテーマや登場人物の心情を表現する重要な役割を果たしています。

🎬 技術的評価

映像言語

ジョン・ランディス監督による演出は、ダイナミックかつコミカルです。

カーチェイスシーンは、膨大な数の車両を用意し、シカゴ市街やショッピングモールを舞台に、実際に多量の車両を破壊しながら撮影されました。

そのスケール感と迫力は、CG以前の時代ならではの迫力があります。

音響デザイン

本作の最大の魅力は何と言っても音楽です。
アレサ・フランクリンの「Think」やレイ・チャールズの「Shake a Tail Feather」など、一流ミュージシャンによる名演奏が随所に盛り込まれています。

美術・衣装
ジェイクとエルウッドの黒いスーツ、帽子、サングラスという衣装は、彼らのキャラクターを象徴するアイコンとなりました。

この普遍的かつシンプルな衣装は、彼らがコメディアンでありながらも、ブルースという音楽ジャンルへの敬意を表現しています。

象徴的なシーンの演出
教会でのジェイムス・ブラウンの「神の啓示」シーンは、コメディながらも宗教的な荘厳さと音楽の力が融合した象徴的な場面です。

また、レストランでのアレサ・フランクリンの熱唱シーンも、日常空間が突如として壮大なミュージカルシーンへと変貌する演出が印象的です。

🌍海外の視点と製作の舞台裏

 

海外メディア・批評家の評価
公開当時、Roger Ebertは「狂気じみた愚かさとブルースへの深い愛情が融合した作品」と評価し、4つ星中3.5星を与えました。

一方で、The New York Timesのヴィンセント・キャンビーは「無秩序でまとまりのない作品」と批判しました。

しかし時を経て、本作はカルト映画としての地位を確立し、Empire誌の「史上最高のコメディ映画100選」にもランクインしています。

製作エピソード
兄弟バンド”ブルース・ブラザーズ”は、人気TV番組「サタデー・ナイト・ライブ」のキャラクターから生まれています。

(「サタデーナイト・ナイト・ライブ」は、アメリカのコメディ番組で、多数の映画俳優を輩出しています))

映画のカーチェイスシーンでは、実際に100台以上のパトカーが破壊され、記録的な予算超過(当初の予算から約2倍に膨れ上がった)になりました。

また、ジョン・ベルーシは撮影中、昼夜を問わず活動し、ほとんど睡眠を取らずに(ドラッグの影響?)、撮影に臨んでいたというエピソードも有名です。

日本国内の評価
日本では公開当初から熱狂的なファンを獲得し、特に音楽ファンの間で高い評価を得ました。

黒いスーツスタイルは日本のファッションにも影響を与え、「クールなアメリカンスタイル」として受け入れられました。

日本では特に音楽面での評価が高く、ブルース・R&Bファンの入門作品としても親しまれています。

🎞️ 関連作品

同ジャンル/テーマ
1.『アニマル・ハウス』(1978)も、ランディス監督、ベルーシ主演のコメディ映画です。
型破りなユーモアと破天荒なキャラクターの魅力が共通しています。

2.『コミットメンツ』(1991)は、アイルランドの若者たちがソウルバンドを結成する物語です(コメディではないですが、傑作です)。

同監督作
3.『スリラー』(1983)は、同じジョン・ランディス監督の作品。
マイケル・ジャクソンの伝説的なミュージックビデオで必見です。

番外.『ブルース・ブラザース2000』(1998年)は、ダン・エイクロイド主演の続編。賛否両論ありますが、音楽は健在です。

📝感想

本作は、コメディとブルースが融合した伝説的なカルト映画です。

あまりにも破天荒なストーリー、その一方で本格的な音楽演奏、そして意味のないほど過激なカーチェイスにはあっけにとられます。
アメリカ映画の強烈なパワーを実感する作品です。

関連リンク

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